こふん日記

2011年の旅行記 メコン編、中央アジア編、チベット編

ベトナム縦断27 フークォック島

2011年3月10日

空には雲がかかっていた。
宿からビーチまでは500mほどの距離があり、細い山道を下っていく。ビーチにはチェアが置かれ、ヤシの葉で作られたパラソルが立てられ、ちょっとしたプライベートビーチのようだ。このビーチから南に進むと砂浜の幅が少しずつ狭くなっていき、ビーチクラブでついに途切れてしまう。また北の方はと言えば、ホテルやレストランがあるにはあるのだが、センスの悪い人魚像などが無造作に置かれ、それが風雨に晒され無残な姿となったまま放置されており、あまり良い雰囲気ではない。結局、最寄りのこのビーチが一番雰囲気の良いところだと分かったので、宿を移る考えはやめにした。昨夜と同じレストランで、オムレツ、パン、ココナッツ、コーヒーを取った。人も少なくゆったりとした朝食だった。
ラムハの正式名称はラムハ・エコ・リゾート。「エコ」が経済的の意味か、環境的の意味かは分からないが、確実に両方とも当てはまる。広くて緑豊かな敷地には、独立したバンガロー風の建物がいくつか並んでいる。敷地の樹木はかなり手入れされていて、一日中誰かがホースで水やりをしている。部屋はまずまず広くて清潔感もまあまあなので、お値打ちの宿には違いない。ただビーチリゾートというよりは、緑が豊かすぎてジャングルに滞在しているような気分だ。近年、大幅に改装されプール付きの近代的リゾートに生まれ変わると同時に、「エコ」の文字も外されたようだ。結局「エコ」はどちらの意味だったのだろう?

ランドリー、バイクのレンタル、パンや牛乳など食料の確保、帰りのフェリーの予約、シュノーケリングツアーの申し込み。今日はすべきことがたくさんある。ランドリーは宿でやってもらうことにした。モーターバイクも近くで借りられた。続いて町のユーンドンへ出る。高速船の代理店を見つけチケットを買う。2日後の3月12日14時発、230kD。ホテルへのピックアップは12時で40kD。そしてシュノーケリングツアーはXダイブというダイビングショップで1日ツアーを申し込んだ。食事付きで20ドル。やるべきことを一通り済ませたので、バイクで島を回ってみることにした。

島にいくつかビーチが点在している。まずはダートを北へ走り、北西の突き出し部分にあたるダイビーチに行ってみる。ここはもともと軍事基地があったエリアであまり開発が進んでいない。近くにマイフォンリゾートというリゾートがある。リゾートから少し南側に下ったあたりに比較的長いビーチがあり、透明度も高く人も少ない。交通の便が悪いが、足があるなら行ってみて後悔はしないと思う。その後、マイフォンリゾートで昼食を取った。具の多い焼きそばとココナッツジュースで90kD。悪くない。近くの軍人さんがランチに来ていたが、他にリゾート客はいなかった。

続いて南にあるサオビーチへ。ユーンドンからは2通りの行き方がある。一つは西海岸のロングビーチ沿いに南へ南へ進んだあとに東海岸に出るルートと、もう一つは真ん中の丘陵地帯を縦断するルートだ。前者で向かうことにした。
ラムハから数キロで舗装道路は終了しあとは砂地を走る。少し走りにくい。ユーンドンから1時間ほどかかりサオビーチへ。このビーチは遠浅で水が温かい。程よく波もあって、海岸で海遊びをするにはうってつけだ。その代わり透明度はやや落ちる。夕方だったが多くのベトナム人で賑わっていた。
帰路は丘陵縦断ルートを選択。こちらは舗装路で、スピードを上げて走る。ユーンドンまで45分。途中で日没を迎えた。荒野に沈む夕日は、なんだか寂寥感を駆り立てられるようだった。
ユーンドン近くのカウ城で夕食にした。一帯にシーフードBBQの屋台が並んでいる。イカと大きなエビを2匹ずつ食べた。イカがとても美味しかった。ただ屋台の魚介達は売れ残った場合、衛生的に取り扱われて、翌日また並べられているのか否か、一抹の不安を感じた。イカとエビだけでは炭水化物が足りないので、ユーンドンでしめのフォーボーを食べてから帰った。
短パンで一日ツーリングしたことを後悔した。太ももの下半分まで見事なまでに赤くなっていたからだ。明日以降が怖かった。