こふん日記

2011年の旅行記 メコン編、中央アジア編、チベット編

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

中央アジア7 トルファン3

2011年6月30日早々とトルファンを発ったチェコの青年と入れ替わりに部屋にやって来たのは、背の高い20代後半くらいの西洋人だった。「ハロー」と声を掛けると、彼は少し間を置いて頷いた。彼が何も喋らないことに、僕は少し違和感を覚えた。そして「どちらか…

中央アジア6 トルファン2

2011年6月29日中国ビザの申請を済まし、百富バーガーという京劇の仮面のような猿のマスコットのファーストフード店で、僕は涼んでいた。中国のファーストフードは、フライ物のバーガーが圧倒的に多い。そこで改めて、ハンバーグを挟んだハンバーガーが、高度…

中央アジア5 トルファン

2011年6月28日トルファンは激暑だった。 ウルムチでの下痢が止まったあと、僕は中国ビザ延長のため隣町トルファンまで来ていた。ここは海抜マイナス150メートルの盆地である。まるでるつぼの様に町全体が熱せられ、体感温度は40度を超えていた。外を歩くとぼ…

中央アジア4 ウルムチ

2011年6月25日 ウルムチに到着した夜から下痢と嘔吐が始まった。自分の中で原因は、はっきりしている。間違いなく暑さによる疲労と脱水だ。宿探しで彷徨っている時から何となく兆候はあった。4か月旅をしているから、その辺りの感覚については鋭敏になってい…

中央アジア3 ウルムチ

2011年6月25日蘭州から硬臥で12時間かけて敦煌まで来ると、更に風景が乾いたものに変わっていく。空は雲一つなく澄み渡り、遠くに大きな砂丘を望む。防砂林のポプラが天に向かって伸びようとしている姿が青い空によく映える。 敦煌の町自体はとても小さく見…

中央アジア2 蘭州

2011年6月19日 中国のほぼ真ん中に位置する標高1500メートルの高原都市蘭州は、黄河とシルクロードが交わる交通の要衝だ。東の中原と西域を結ぶと同時に、南の山岳地帯へ分け入ればチベットへの入り口に繋がる。 蘭州駅の背後には高さ600mの茶色い山が聳え、…

中央アジア1 蘭州へ

2011年6月19日 もし高さ200メートルのバンジージャンプがあったとしても飛べる自信はあるけれど、「T52/53硬座」のチケットに手を出す勇気はどうしても出なかった。だがそれは僕だけではないはずだ。中国における鉄道の座席は、軟臥、硬臥、硬座の3種類に分…