こふん日記

2011年の旅行記 メコン編、中央アジア編、チベット編

中央アジア23 アルマトゥイ カザフスタン

2011年7月19日

時間が経つのは早く、いつの間にか朝を迎えた。カフェでの朝食休憩があり、ラグマンといううどんを食べた。乗客の1人が、自分の妹が日本語を話すから電話に出てほしいと言ってきた。こうして日本語をしゃべっていると、なんと他の客が、自分も日本語を話せると名乗り出てきた。休憩後、僕は彼の隣に席を移動した。
彼の年齢は20代後半で、日本のサラリーマンのような風貌をしている。大学で半年日本語を学んだらしい。それだけでこんなにも喋れるのかと感心した。ロンドンに留学し、今はアスタナでカザフの政府代表として勤務しているとのこと。それでも給料は安く、家族一緒にアスタナで暮らすのは難しいので単身赴任しているそうだ。単身用アパートで家賃が800ドル、家族用物件だと2千ドル以上するらしい。外国に留学したエリートですら暮らせないなら、一体どんな人たちがアスタナで生活しているのか、疑問が浮かんだ。

日が照ると車内の温度が次第に上昇してきた。このバスは二重窓になっていたのだ。寒さへの対策だろう。しかし日射しのきつい真夏での二重窓だと、車内はサウナのようなものだ。蒸し暑くて頭がぼーっとする。到着予定の午後1時になっても、乾いたステップが延々と続く。気が付いたのだが、アスタナとアルマトゥイの間には町が殆どないのだ。改めてカザフスタンの広大さを実感する。アルマトゥイの街に入ったのは、16時過ぎのことだった。そこからも渋滞に巻き込まれて、バスターミナルに着いたのは17時前だった。さすがに20時間の夜行バスは体にこたえた。

バスから降りた途端に、強いにわか雨が降り出した。雨に濡れながら、とりあえず表通りに出て市内を循環するバスに乗った。40分かかって、アルマトゥイにあるもう一つのバスターミナルに着いた。そこから15分歩いて、ホテル・トゥルキスタンに辿り着いた。アルマトゥイの中では安宿の部類に入るはずだが、安い部屋は売り切れで6500テンゲの高い部屋しか残っていなかった。宿探しに彷徨うには疲れ果てていたため、明日から3000テンゲの部屋に変えてもらうことを約束してこの部屋に決めた。やや広い目のきれいなビジネスホテル風で、ベッドがキングサイズでバスタブ付きだった。久しぶりにタオルでゴシゴシ体をしっかり洗った。夕食はバナナ5本を買って一気に全部食べた。夕方には空は綺麗に晴れていた。