こふん日記

2011年の旅行記 メコン編、中央アジア編、チベット編

広州から南寧へ メコン

2011年2月16日

24時に床に就いたが殆ど眠れず4時に目が覚めた。暗い部屋でじっとしていても眠れる気がしなかったので、シャワーを浴びてから横になった。6時にアラームが鳴ると、今度は眠たくて2度寝をした。
外はまだ暗かった。寒い部屋で、昨日スーパーで買った焼きソバとカットフルーツを食べ、6時50分に宿を発ちバスターミナルに向かった。

今日の行き先は広州から西に500kmの場所にある南寧という都市だ。
その前にこれからの旅のルートを説明しないといけない。いま目指しているのはベトナムだ。広州からベトナム北部に入国し、そのままベトナムを縦断するつもりだ。もちろんベトナムのことは何も知らないが、それはおいおい考えていこう。
ここで広州からベトナムへ入る国境は二つある。一つは内陸の友誼鎮というハノイとを結ぶ経路、もう一つは東興という海沿いの町だ。どちらにしても広西チワン自治区の南寧を経由することになる。

バスのチケットは昨日に購入し240元(≒3100円)だった。100kmあたり600円くらいか。東京-大阪間と比較すると少し安い。ところで○○元=△△円と言う場合、いわゆる為替レートを基に計算するのが普通だと思うのだけど、僕にはそれが分からないので実際の市中両替レートで記すことにします。


中国では中距離以上のバスではベッド型の座席だ。靴は乗り口で脱いでビニール袋に入れてフローリングの床へ上がる。上下2段のリクライニングシートが横3列に並ぶつくりになっている。

僕は窓の方へごろんと体を傾け、風景を眺めていた。森にもやが取り付き、水田が点在している。昨日よりも温暖な印象を受ける。東南アジアが近づきつつあると感じられた。
13時に昼食休憩。もやし炒めとライスで7元=90円。おいしくもないが、食べられないほど不味くもない。中国旅のいい点だ。ところでバスの休憩時間は短く、また日本のような頻回のトイレ休憩はないと思っておいたほうがいい。

15時30分に南寧のバスターミナルに到着した。ここは意外と大きなターミナルだった。
到着してまず僕はベトナム国境への足を確保することにした。今回はハノイへ直行する友誼鎮ではなく、遠回りして東興を選択することにした。理由は後述する。
ところで中国を旅行する際に障壁となるのが、「簡体字」だ。我々の知っている漢字からかなり簡略化されているので、想像がつきにくい。東興も「東兴」と表記されていて最初は全く見当が付かなかった。だから最低でも発音だけは調べておいた方がいい。「東兴」が本当に「東興」なのか確信が持てなかったが、「東」から始まる地名はここだけだったし、運賃が70元(900円)と概ね距離に相当する額だったので多分正しいのだろうと思うことにした。

市内へのバスにおよそ45分揺られて鉄道駅近くまで来た。
ホテルは最初に目に入った共和国酒店というところにした。シングルで98元(=1300円)。窓はないものの清潔で十分な広さがある。広州よりもホテルがぐっと安くなったのでうれしかった。
広州は大都市だったが、南寧はどこかまだ発展途上の面影を残している。特に駅周辺は屋台や安食堂、安宿が並び活気に満ちている。昨日のワンタンメンで自信を付けた僕は小さな麺食堂に入った。雲南米銭を注文した。オーダーはちゃんと通った。米から作られた柔らかい麺の鍋焼きだった。色々な具が載っていたので夕食としても申し分ない。しかも6元(=80円)と安い。
ちょっとは旅人っぽいことができてるんじゃない、と自画自賛しながらホテルへ戻った。